震災直後の活動から確かな明日に向けて

停電

  • ストーブ・エアコンが使用できず「暖」の確保ができない。
  • 介護用ベッドがギャッジアップされたままであり、高さも変えることができない。腰痛など介護者様の介護疲れが顕著に。
  • エアマットの空気が抜けてしまった。体位変換機能も動かない。(身体が硬くなった。身体が痛い。)などの声が聞かれた。
  • 在宅酸素機器が使用できず携帯用ボンベに切り替えた。
  • 電動吸引器に変わる物がなく、痰吸引ができない。
  • 呼吸器が使用できない。

断水

  • 飲料水の確保が大変。
  • トイレが流せない。
  • 入浴できない。清拭ができない。
  • 独居や老夫婦世帯は配給場所に行くのが大変。
  • 掃除・洗濯・排水用の水を川に歩いて汲みにいった。

ガス

  • 煮炊きが出来ず、調理ができない。
  • 入浴ができない。清拭ができない。

通信

  • 119番通報したくても固定電話の使用ができない。
  • 携帯電話の回線が混雑し繋がりにくい。
  • パソコン機器・FAXなどが使えずお客様、他事業所様の情報が分からない。また伝達できない。
  • 相談したくても、電話が使えないので連絡が取れない。
  • 通常行っているインターネットでの仕入れなどができない。
  • 情報収集できる機材がラジオ・携帯電話のみだったため、現況が分からない。
  • 市や町の避難所情報や支援物資配布等の情報が公的な所に行かないと分からない。
  • 営業しているお店がどこなのか分からない。

物流

  • 高速道路・幹線道路の麻痺、物流拠点(店舗)の被災・燃料不足などにより様々な商品の配送が滞った。
  • お店が開いていないため、必要な物資を買うことができない。食糧の備蓄をしていない。「とろみ材」や「介護食」が手に入らない。
  • 病院・施設・避難所などからもオムツなどのご注文をいただいたが、商品の在庫不足と入荷が未定のため必要な物資が配達してもらいえない。
  • 全国各地の有志の方々から救援物資を送っていただいた。医療機関・居宅介護支援事業所・社会福祉協議会・避難所等に必要としている方への配布を依頼した。

燃料の枯渇

  • ガソリンがなく、移動ができずまた必要な物資を調達することができない。
  • 何時間もガソリンスタンドの行列に並んだ。

医療

  • 医療機関・調剤薬局・一般のドラッグストア等も被災しており、受診・薬の処方をうけることが出来ない。
  • 往診が出来ない状況だった。
  • 処方薬がなくなった。
  • エンシュアリキッド・ラコールなどの経管栄養材などの処方がうけられなくなった。
  • パットやオムツの取替え回数の減少により不衛生な状態に陥った。



停電

Aさんの事例…

寝たきりで、吸引機、エアマットが使えずに肺炎や褥創のリスクが高いお客様の所へ訪問へ行った。
しかし、さらに状況は悪く地震前から数えて1週間以上便が出ていない状況だった。
バイタルサインをはかり、全身状態をチェックし、摘便を行い経過観察を行なった。電源が回復するまで肺炎等を防ぐことが出来た。

Bさんの事例…

下肢が不自由なお客様と腰痛持ちの奥様。3週間ほど断水が続き奥様が1日何度も給水所まで通い体も心も疲れきっていた。

Cさんの事例…

震災から一週間が経過した日の事。お客様より一本の電話があり、「痰がうまくとれない」との内容であった。
電気が復旧していない中で私どもは当社の吸引機の貸し出しを行うことに。
平時なら車で行く距離ではあったが極度のガソリン不足。
しかし迷いはなかった。リュックに吸引機と数本の吸引チューブを入れ自転車のペダルをこぎ始め、ガソリンスタンドの長蛇の列を横目に走り始めた。

所々に見られる道路の亀裂、陥没。これが震災による現実であることを思い知らされながら前へ進んだ。
長い坂道を登りきりお客様のお宅に到着する頃には息もあがり大腿部はプルプル震えていたがこんな状況の中でも看護師としての責務を果たせた事、またなによりもご家族様より労いのお言葉を頂けたことが何にも変えがたい出来事だった。

Dさんの事例…

震災当日、ご主人は仕事で帰ってこれず知的障害をお持ちの息子さんと2人で過ごされた。
頼れる人がいないため不安が大きく数日間避難所へ泊まっていたがDさんは自力での寝起きが出来ないため椅子に座って寝ており、身体中が痛くなってしまった。ガスが一ヶ月以上も止まり、入浴もできず清拭や知人の家でシャワーを借りて過ごしていた。

Eさんの事例…

嚥下障害のある方。停電によりミキサーが使用できなくなり食べられるものが無くなった。
栄養摂取にとても苦労した。断水期間が長く水分摂取が不十分であったためか訪問時に熱発し尿路感染症に。ガスは出ていたが、訪問入浴サービスの事業所が津波被害にあったため機能せず、ご家族が清拭をおこなって保清をしていた。
さらに、往診も1ケ月以上来れない状況で薬が無くなってしまった。

Fさんの事例…

通所事業再開、来所された方々の話し「余震が怖くて外に出れない」「不安で寝れない」・・・。
必要だったのはリハビリではなく、癒しの空間とコミュニティーだった。友人との再会が、ようやく一息つくことができた瞬間のようでした。
今振り返ると、ただ場所を提供することだけが唯一、お役に立てたことかもしれません。

Gさんの事例…

避難所では、狭い空間に人がぎっしり。
床から立ち上げれない為、椅子に座って休んでいると、足下にゴロン、ゴロンと横になっていく。歩くのが不自由だから、踏んでしまうかもしれない・・・。
トイレを我慢して、一昼夜。気がつくと、病院のベッドの上だったそうです。
今は、元気に通所に来ていただいてます。


震災直後の活動から確かな明日に向けて 最初に戻る

「確かな明日作戦」実行中!!

サテライトケアセンター仙塩 居宅介護支援事業所

TEL.022-346-8200 FAX.022-346-8201

サテライトケアセンター仙台東 居宅介護支援事業所

TEL.022-288-3370 FAX.022-288-3371
お問い合せ、ご相談はこちらでも承っております。